1980年代後半まで「冬はブラックバス釣りのオフシーズン」という風潮があったようです。
しかし、現在ではタックルの進化やバスの生態の解明により、バスフィッシングはオールシーズン楽しめるようになりました。
とは言うものの‥冬はハイシーズンとは違い、少し狙いがはずれれば「釣れない」なんてことも十分ありえるシビアな季節です。
それでも、バスの行動パターンを理解し、釣りに当てはめることで、コンスタントにバスを手にできるようになります!
トシロー
まじで、冬バスは厳しいよな‥俺はシャローしかやらないから打率1割ぐらいだな‥
うん。。。確かに厳しい季節だね。
でも、この時期はデカバスを狙って取れる時期でもあるし、しっかり冬のバスの行動を押さえれば攻略できるよ!
タオル
今回は冬のバス釣りについて、「冬なんて釣れるわけない!」「冬はオフシーズンだよ‥」という方に向けて、冬のバス釣りの「キモ」を紹介していきます。
この記事を読めば、冬のバスに確実に近づけると思います!
目次
冬のバスが釣れないのはなぜ?どこにいる?
ブラックバスは変温動物のため、水温が下がると動きが鈍くなります。
最低水温(5度~8度)付近ではバスはほとんど動きません。水温低下で体の機能が低下しており、動きたくても動けない状態です。
この傾向は特に小型のバスにはっきりと現れます。
一方で、体力のある大型のバスは水温低下に対しても強く、シャローに残るバスもいます。
特に50cmを超える大型のバスは、小型のバスとは異なる動きをしている場合が多く、シャローに残る個体が多いのが特徴です。
トシロー
確かに冬のシャローで釣ったバスで40cm以下を釣った記憶ねーな!
体力がない小型のバスはシャローにいることができないんだと思うよ。
だから自然とシャローにはでかいやつしかいなくなるんだね。
タオル
冬のバス釣り攻略(12月、1月、2月)
このグラフはあるダム湖の平均水温を表したものです。
12月初旬は水温が12℃で、2月下旬の5℃を最低水温として落ちていきます。
フィールドによっても異なりますが、推移としてはこのデータと大きくは変わりらないと思います。
12月
12月の初旬はまだ水温が10度を超えている場所が多く、中型以上のバスはまだ動ける水温です。しかし、小型のバスの多くはこの時期からディープに集まり始めます。
12月の中旬には完全に水温が10度を切り、甲殻類は冬眠を始めます。甲殻類がいなくなると、小魚などのベイトフィッシュがバスのメインベイトです。
この時期の中型以上のバスは、シャローより一段下のブレイク沿いで浮いていることが多く、いかに中層を攻略できるかが釣果を左右します。
しかし、中層のバスは秋とは異なり動きも鈍いので、クランクベイトやスピナーベイトなどのファーストムービング系のルアーは効きづらく、中層で止めておけるハードベイトが強くなってきます。
一番効果的なのがサスペンドタイプのジャークベイト、シャッドです。
関連記事:ジャークベイトの使い方!基本とキモ!おすすめルアー3選を紹介!
1月
1月は最低水温に向かって水温はどんどん低下していきます。
12月の釣りが通用するのは水温8度まで。8度を切ると完全に真冬の釣りに移行すべきタイミングです。また、この時期はディープが安定して釣れるようになるタイミングでもあります。
野池や沼など浅いフィールドでは最深部を狙って、ダウンショットで食わせの釣りをするか、メタルバイブ、バイブレーションでリアクションの釣りをするのが安定した釣果を得るポイントになってきます。
リザーバーなどの水深が深いフィールドでは9m~13mを狙います。
関連記事:バス釣りでのバイブレーションの使い方!最強のサーチベイトだよ?
2月
2月はほぼ最低水温で安定し、下旬あたりから僅かに水温が上がり始めます。
2月は1年で最も厳しい季節です。最低水温の4度~6度付近では、食性よりもリアクションの釣りが安定した釣果をもたらします。
この時期一番活躍するのがメタルバイブ。リアクション一辺倒の方が結果が出る時期です。
下旬に水温が少しでも上昇すると、水温の変化に敏感なデカバスが徐々に動き出します。特に暖かい雨が降った日はチャンスです。
チャンスとはいっても活発に餌を追うわけではないので、スローなミドストや中層サスペンドプラグで止める事を意識するのがこの時期のポイントになるでしょう。
冬のバス釣りで釣れる時間帯
冬のバス釣りはチャンスが限られています。朝一(朝マズメ)と夕方(タマズメ)にもっとも可能性が高くなります。
朝夕のマズメはシーズンを通して釣れる時間帯ですが、冬は特にこの時間帯にバイトが集中します。
冬でも、朝マズメにはフィーディングをしているバスが確実におり、夕マズメは1日のうち最も水温が高くバスが活発に動いているからです。
この朝夕のマズメにいかに釣りをするかが、冬のバス釣りの明暗を分けます。極端なことを言うと、冬は日の出から1時間と15時から日没以外は休憩していてもいいぐらいです。それほど、冬のマズメ時は貴重な時間帯です。
冬のバス釣りで狙うべきポイント
水温が高いエリア、安定しているエリア
冬のバス釣りでは少しでも水温が高いエリアを狙うのが重要です。
フィールドで水温が高いエリアは2つ。
- 温排水、湧き水があるエリア
- 水の動きがないエリア
温排水や湧き水などがあるエリアは、メジャーフィールドであれば冬の実積場として紹介されている場所です。
温排水が出ているスポットは水温が15度を超えるような場所が多く、魚が密集する傾向があるので間違いなくチャンスです。
自分が通うフィールドで水が流れ込んでいるスポットがあれば、水温を計ってみる事をおすすめします。思わぬ収穫があるかもしれません。
また、水の動きがないエリアも水温が高い傾向があります。川であれば流れがほとんどないような場所です。
水の動きが無いエリアは水温が安定し、冬のバスは水温が安定しているエリアを好むのです。
例えば下図の赤丸のような場所。小規模なワンドが狙い目です。
風をブロックするエリア
冬は北風が吹き荒れることが多く、風をブロックするエリアも有望です。
風によって水はかなり動きます。風の影響は水深10mにまで及ぶというデータもあるので、表面だけというレベルではないようです。
北風が吹くということは、北に面している場所は比較的風に影響を受けにくいはずです。
つまり、一般的に冬場は北側のエリアが有望になります。
冬バスの釣り方はやっぱりワーム?
ダウンショットでボトム攻略!
ポイントを30センチ単位で刻む
野池などの水深の浅いフィールドでは、最深部に近い水深を狙います。
この時期は魚がルアーを追う範囲がすごく狭くなるので、30cm単位ぐらいでポイントをきざんで攻めるべきです。
大雑把にサーチを行うと、ルアーがバスの目の前を通る確率はかなり下がってしまいます。
アクション
基本的にアクションはスローでなくても大丈夫です。
ダウンショットはサーチ的な要素が強いので、一度のアクションでの移動距離は1cm前後を意識して、連続でシェイクし続けます。
5秒シェイク→ラインを張ってアクションを止め、バイトがないかを確認‥‥というふうに繰り返します。
バイトが分かりづらい
冬のバイトは「コンっ」と手元にアタリを感じることもありますが、明確に手元で感じられるあたりは少ないです。
ほとんどは「根掛かりかな?」と思うようなちょっとした重みしか感じられないので、怪しければすべてフッキングします。
何度もバイトを取って経験すれば、根掛かりなのか魚なのかを判別できるようにもなりますが、あたりを判別するのはすごく難しいです。
また、フッキングした後も「ゴミか?」という感じでバスが全くファイトしない場合も多いので、上がってくるまで油断は禁物です。テンションを緩めずに巻き続けましょう。
水面に上がってくると、急にファイトしだす時があるから要注意!
タオル
ショートバイトを捉える
低活性でショートバイトが多いこの時期は、ソリッドティップが特に有効になります。バイトを弾かずにロッドティップがしなやかに曲がり、魚の口にフックがホールドされている時間が長い方が有利だからです。
また、シンカーは軽めのウェイトを使った方がバイトを感じやすくなります。1.8g~2.7gを基準にして、風が強い時に重くするぐらいでいいと思います。しかし、ボトムを取れないとほど軽いシンカーを使うのは、かえって釣果に結びつかないので注意が必要です。
さらに、ガルプ素材のワームを使用してバイト時間を長くするのも効果的です。ガルプワームはバイト時間が長くなると実感できるので、冬には欠かせない秘密兵器。ガルプのメリットは匂いで魚が寄ってくるのではなく、バイト時間の長さです。
ショートバイトを捉える3種の神器
- ソリッドティップ
- 軽量のシンカー
- ガルプ
関連記事:ダウンショットリグの作り方&使い方!おすすめワームを紹介
関連記事:ソリッドティップのメリットって何?チューブラーとの違いを解説!
関連記事:ガルプのワームは臭いだけ!?エサ級ワームは反則すれすれ!
食わせの最終兵器「ジグヘッド」!
ジグヘッドリグは喰わせの最終兵器です。
根掛かりのリスクは高まりますが、フッキング性能も高いので効果的です。さらに、喰わせ能力も優秀です。ダウンショットでフッキングが決まらない‥、バイトがない時にはジグヘッドリグを試してみてください。
狙うのは、目の前に来たものだけをパクっと食べて、ヒレすらも動かさずに底に腹をつけているような活性の低いバスです。
アクションはバスの目の前へスローにリグを置いていく感じです。
ダウンショットよりも移動距離を短くして、細かなシェイキングで誘います。シェイク→止めてバイトの確認‥の繰り返しです。ダウンショットと同じ動作ですが、ジグヘッドの方がロッドアクションがダイレクトに伝わるのでシェイクは弱めを心がけてください。
かなり根気のいる釣りですが、極限の低活性時にはおすすめです!
浅いフィールドならシャッドでボトム狙い!
野池などの浅いフィールドではボトムでスローにシャッドを使うのもおすすめです。シャッドは2~3mの水深であれば、冬の喰わせ最強メソッドと言ってもいいかもしれません。
一口サイズでトリプルフックがついていて掛かりも抜群。まさに冬のボトムの釣りに向いているルアーです。
アクション
キャスト後はすばやく巻いて、ボトムまで到達させます。この時にトゥイッチしながら巻くとより速く深くまで潜らせることができます。
ボトム到達後は、チョンチョンとテンションをかけてポーズを繰り返します。ライトリグを操作しているような感じでシャッドを操作するのがポイントです。
なにかにスタックしたのを感じたら5秒~10秒程ポーズを取ります。スタックしてはずれないようなら、ロッドを上方向にゆっくりあおると外れる事が多いです。外れた瞬間、リアクションで喰ってくる場合もあるので注意しましょう。
シャッドのボトム攻略は根掛かり多発するんじゃと思われがちですが、使うラインとフックによっては根掛かりしても回収できます。PEラインの0.6号を使用するとラインが細いので潜行深度も深くなり、根掛かりした場合にもフックを伸ばして回収できるのでおすすめです。
フックは刺さりのいいものが絶対必要。「がまかつのトレブル17」がおすすめです。細軸でかかり抜群。これ以上のフックは今の所見当たりません。
シャッドはフィールドの水深にあわせて使用します。水深が4m前後であればOSPのダンクがおすすめです!ダンクはボトム攻略シャッドの絶対的エースで、これを超えるルアーは今の所ないと思います。
関連記事:「OSPのハイカット、ダンクの使い分け!シャッドの性能を最大限引き出す!」
トシロー
シャッドってそんなにスローにアクションさせんのか?
早巻きのイメージあるけど!?
超高速でリアクションバイトを誘うのはハイシーズンのサイトとかかな。
ボトム狙いなら、冬場は超ゆっくりがおすすめ。
タオル
メタルバイブでリアクション狙い!
活性が低く、喰わせの釣りが効かない場合にはリアクションバイト狙いに切り替えてメタルバイブを使います。メタルバイブを使う時のポイントはリフト&フォールの回数です。
リフト&フォールの回数を稼ぎたい場合には、後方のアイを使用します。アクションはあまり安定しませんが、リフト時に上方向に行きやすくなりリフト&フォールの回数を稼げます。
また、おかっぱりで遠投しなければならない場合にはラインがボトムに寝てしまい、全然リフトできていない場合があるので注意が必要です。
対策はPEラインを使用すること。PEラインを使用すると、ラインが沈みづらいのでリフト時の角度が大きくなり、1アクションでの移動距離が少なくなり、1キャストでのリフト&フォール回数を増やすことができます。
PEラインは糸絡みが多いので直結ですとかなりストレスになります。必ずリーダーを使用しましょう。
アクション
メタルバイブを使う際に意識するのは3点です。
メタルバイブのリフトはそんなに速くする必要はありません。鋭くしゃくると瞬間的にラインスラックが多く出てしまい、次のリフトまでにスラックの巻取りが間に合わずバイトを逃します。
メタルバイブのバイトは着底時とリフトアップ時に集中するので、着底時のバイトをものにするためにもラインスラックの処理には気を使いましょう。また、ボトムにつけすぎると根掛かりの確率が高まります。
メタルバイブは根掛かりとの闘いです。少しでも根掛かりの確率を減らすために、メタルバイブを横倒れさせないように意識しましょう。そして、根掛かり回収機は絶対に必要です。
- シャクリはそんなに早くなくていい。
- ラインスラックを出しすぎない
- ボトムについたらすばやくリフトする
この3点を意識して使えば、あとはひたすらリフト&フォールの繰り返しです。
関連記事:メタルバイブの使い方&おすすめ5選を紹介!冬はこれでしのげ!
パワーフィネスでシャローのビッグバスを狙う!
冬のシャローは基本的にビッグフィッシュしか釣れません。
体力のある大型のバスしかシャローには残れないからです。冬のシャロー攻略で気をつけたいのは、シャローに残った体力のあるバスと言えども動きがスローなことです。
狙うべきポイント
水中に枝や幹が浸かっている水深のあるカバーが理想的です。
複雑なカバーほど釣れる確率は高いのでリザーバーであれば崩落跡が好ポイントになります。さらに、浮きゴミが絡んでいると最高の状態です。
浮きゴミは風や外気の変化をシャットアウトしてくれるので、規模が大きく動かないような浮きゴミであれば更に好条件。浮きゴミの影響で水温が上がらないと思われがちですが、かえって水温が安定していい環境を作っているのでしょう。
アクション
アクションで気をつけるのは一投に時間を掛けることです。
冬のシャローカバー撃ちで釣れない人は大抵釣りのリズムが速すぎます。最低でもハイシーズンのカバー撃ちの3倍~5倍ぐらい時間をかけていいと思います。かなり長めにシェイクしないと喰ってきません。これは、冬のリザーバーで見えバスを釣った経験から得た情報です。
冬のシャローにいるバスの動きは「寝てんのか?」というぐらいノロノロと動きが遅いです。動きたくても自由に体が動かないのかもしれません。また、全身の感覚が鈍くなっているのかなかなかルアーにも気付きません。
動きが遅く、ルアーに気付かないバスを攻略するためにも、10cm単位でずらしてカバーを探ってあげる必要があります。丁寧に、焦らず、じっくりと誘ってあげましょう。
テキサスリグでもバイトを得ることは可能ですが、吸い込みの弱いバイトに対応するためにはスモラバが一番有効なルアーだと思います。また、スモラバをパワーフィネスタックルで扱えば、ベイトタックルではキャスト不可能な場所にも投げられます。
スモラバは3.5g~4gがおすすめです。トレーラーはガルプ漬けなどをして少しでもバイト時間を長くする工夫をするとフッキング率を上げることができると思います。
関連記事:パワーフィネスでカバーを攻める!カバー攻略最終奥義!?(ヘビーカバー編)
トシロー
冬のバスはそんなにスローなのか‥速すぎるから俺は釣れなかったのか?
冬でもめちゃくちゃ動けるやつもいるけどね。基本はゆっくりやったほうがいいと思う。
タオル
冬のバス釣りで服装は超重要!
防寒対策をしっかりしていかないと、せっかく釣りに行っているのに寒さに耐えるだけで終わってしまいます。
冬の釣りは寒さの感じ方で集中力が全然変わってくるので、防寒対策は釣果に直結する要素です。
現在は機能性の高い防寒着が多数発売されていています。防寒対策の基本を理解して実践すれば、雪だるまのような身動きが取れない服装をする必要はありません。
ポイントは次の2点です。
- 空気の層を作る
- 手首、足首を温める
空気の層を作る
アウター、ミドル、ベース(インナー)に最適な素材を使って、暖かい空気の層を作るのが重要です。
アウターの中に着るミドルとベースが特に重要で、ベースは発熱するタイプで保温性の高いウエアを使用するのがおすすめです。
ミズノのブレスサーモは高性能な発熱素材が使用されていてかなり優秀。ユニクロのヒートテックとは別格の暖かさで、肌触りに関しても抜群です。値段は高いですがブレスサーモを使ったら、ヒートテックにはもう戻れません。
ミドルのおすすめはフリースかインナーダウンです。
特におすすめなのはインナーダウンになります。ダウン素材が暖かい空気の層を保持してくれるので、フリースよりも暖かく感じます。これもユニクロで売っていますが、高機能な登山メーカーのものがおすすめです。ユニクロはコスパは最強ですが、やはり登山メーカーの製品よりは品質で劣ります。
おすすめは「Mont-bell」です。登山メーカーの中では価格が一番お手頃で品質も高く、コスパはかなり高いと思います。
手首、足首を温める
手首と足首を温めると全く寒さが違います。血管が温められて全身に暖かさが回るのが理由のようです。
手首、足首それぞれ専用のホッカイロがあるので、ぜひ試してみてください。驚くほど手足の寒さを感じないので、かなり釣りに集中できると思います。
最後に
今回は「冬のバス釣り」についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
冬のバス釣りは正直過酷です。釣果もハイシーズンのようには上がらないので、釣りに行く気が失せる事もあります。
しかし、冬の1匹はハイシーズンの10匹よりも価値があると思います。難易度の高いゲームを攻略した時の喜びはなんとも言い表せません。
ぜひ、この記事を参考に冬のバス釣りにチャレンジしてみてください!
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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